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千葉県内で最も乗降客数が多く、世界ランキングでも20位という駅。それは千葉県船橋市の「西船橋駅」です。そんな賑やかな駅から徒歩5分のところに、平野代一さんの「西船橋ひらの農園」はあります。「船橋産ブランド小松菜」を生産し、全国に向けて出荷しています。
「ブランド小松菜」には生産者の様々なこだわりが詰まっています。農薬を抑え、有機肥料を用いて、安心安全な小松菜を作っていることや、鮮度を保つために根付きを束ねて出荷していることなどです。
皆さんのスーパーで並んでいる小松菜が「船橋産ブランド小松菜」かどうかは、ひと目で分かります。
まず、白い根っこが付いているか? 次に目印の「船橋産ブランド小松菜」と書かれた紫色の結束テープで束ねられているか? そして、そのテープや箱に「なな姫ちゃん」という小松菜の妖精のイラストがあるかどうかです。
小松菜は、船橋だけでなく全国各地の産地で作られているので、市場ではライバルがたくさんいます。仲買人に「美味しかったのは、この“船橋産ブランド小松菜”だね」と覚えてもらい、きちんとした値段で取引してもらうためには、中身とともに印象付ける見た目も大切です。
そこまで平野さんたちが知恵を絞っているのは、“街中にある畑”いわゆる「都市農業」だからです。平野さんたち西船橋の農家の畑は、宅地や商業エリアにモザイク状に点在し、面積は限られています。しかし江戸時代より前から農業を営む、平野さんたち。先祖から受け継いだ「農」という仕事を次の世代にも引き継いでいきたいと考えています。そのためには他の産地に負けずに適正な価格で販売し、生業を継続しなければなりません。
とはいってもブランド小松菜はひと束150円前後。鮮度や量を考えれば、決して高いとは思わないはずです。JAが経営する農産物直売所「ふなっこ畑」(船橋市行田)では常時販売されています。
(元船橋よみうり新聞記者 松本真理子)
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