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2012-04-16
ジョンです。
船橋の民話を勝手に紐解き、
その場所を一方的にレポする「みんわのふなばし」
「村上昭三著 船橋の民話」を参照に、
昔から語り継がれてきた民話の紹介と、
その舞台となった場所に実際行ってみて、
「あーなるほどー」と思うだけの誰得企画ですが、
皆さま、覚えていらっしゃるでしょうか?
まだまだなじみが薄い方は、
名前だけでも覚えて帰って下さい。
「みんわのふなばし」略して「みんふな」です。
あ、みんふな事務局の
許可は得ているのでご安心を。
さー、第二回目はこの桜の季節に
是非とも合わせたかった「鷹匠橋のいわれ」です。
ではまずどんなお話なのか見てみましょう。
╋╋ 船橋の民話 鷹匠橋のいわれ ╋╋
むかし、西夏見村から東夏見村、
七熊村および米ケ崎村の辺り一面の
広々とした田野(でんや)は、
鷹狩りをする場所と決められていました。
この場所には、鶴や鴨などの野鳥を繁殖させました。
この管理をするのが鳥見役人でした。
鳥見役人は船橋宿の中程に立派な屋敷を構えて住んでいました。
鳥見役人は、村々の百姓たちに、
「田んぼの田螺(たにし)を採るでない。
泥鰌を採るでない。大きな音を立てるでない。
案山子(かかし)を立てるでない・・・・・・・」
と、鷹匠からの指示もあり、常日ごろから何やかやと、
それはそれは厳しい事を言いながら、
熱心に野鳥の保護に当たっていました。
そうこうしていると、鷹匠は共を連れ、
毎年二、三日泊りがけでやって来ました。
ある時、東夏見村の名主の七右衛門どんの家に泊まりました。
ここに宿をとった鷹匠は、翌朝早く起き、
東夏見村と七熊村の間を流れている
夏見川(現・海老川の一部)にかかった丸木橋の上に陣どっていました。
そして、拳の上に止まっている鷹に向かい
「そーれっ」
と、気合いの入った掛声をかけ、空に放ちました。
鷹は一度勢いよく空中高く舞い上がり、獲物を見つけては急降下し、
両脚の鋭い爪でぎゅっと捕まえ、鷹匠の元に舞い戻ってきました。
この仕草を何十回となく繰り返しました。
鷹匠は昼休みの外は夜明けから日暮れまで、
橋の上にすえてある床几(しょうぎ)から
腰を上げたり座ったりしてました。
これを見た村人たちはこの橋をいつともなく
「鷹匠橋」と呼ぶようになったということです。
╋╋ おしまい ╋╋
えーと、補足をしますと。
冒頭の
「西夏見村から東夏見村、七熊村および米ケ崎村の辺り一面…」
についてですが、
現在の地名は、
「夏見一丁目~二丁目付近と夏見台近辺」で、
かつては「八栄村」とも呼ばれていた時代もあったそうです。
さらに「鷹匠橋」の元となった丸木橋は、
土地改良事業により一度廃橋となったそうですが、
海老川の治水工事の際に今の橋へと掛け替えられたんですって。
この話に登場する「鷹匠」という職業についてですが、
時代劇などをご覧になられる方なら、
どんなものが一度は目にした事があると思われます。
話を読んでいて、
『なんで鷹匠がそんなにエラいの?』
とか思いませんでした?ワタシ思いました。
と、言うワケで「鷹匠」についてのジョンメモ~。
鷹匠とは
『鷹狩に使う鷹の飼育・訓練を担当する人』であり、。
実際に鷹狩を楽しむのはお城のお殿さまや、都のお公家さまで、
別に趣味で鷹を育てていたワケでなく、
鷹匠はお殿さまやお公家さまの為だったんですね~。
鷹匠は幕府の職業として認められていたそうで、
「鳥見役人」は鷹場を守る為には欠かせない役割だったそうです。
偉さの順としては「鷹匠」>>>>「鳥見役人」といったとこでしょうか。
タニシとるなーだのドジョウとるなーだの、
鴨とるなーだの言われて、「口うるさく」
なんて表現された鳥見役人さんですが、
手塩にかけて整えた鷹場を、
立派なお役目として守っていたのですから、
口うるさくなるのも当然だったのかもしれませんね。
鷹場が良くないと、いい鷹も育たないでしょうし。
ほら、あの辺の時代って、
例えば鷹が獲物を獲らずにどっか飛んでいっちゃったり、
獲物と間違えて殿さまの髷なんてつかんじゃったりしたら、
鷹匠の面目まるつぶれどころか、
鳥見役人もろどもお家取りつぶし、
その場で切腹を申しつけられてもおかしくないですものね。
殿さまの行楽の為に、
色々とガマンを強いられたお百姓さん達も、
鷹匠の放った鷹が、
鮮やかに野鳥を捕まえる様に、
見ていた人たちは心奪われたんじゃないでしょうか。
だって猛禽類カッチョ良いですもの。
ワタシもあんな風にカッチョ良くなれたらいいなあ~。
なんて思いますが、まあ、翼もないですしね。
ちなみに、猛禽類を腕に留める時は、
必ず分厚い革袋をしないといけないそうです。
それくらい、鷹の爪って鋭いんですよ~。
そんな鷹匠橋は、
海老川のジョギングロードにひときわ目立つ橋ですので、
すぐに見つける事ができます。
見るならやっぱりこの桜の季節が一番!
…と言っても雨やらなんやらで、八分咲きの頃しかチャンスがなかったので、
満開の桜の鷹匠橋を撮る事ができませんでしたが、
鷹匠橋はずーっとそこにあるので、また来年もチャンスがありますよね♪
特に鷹匠橋の上から眺める海老川の桜は絶景で、
花見を楽しむ人は、必ず足を止めてカメラや携帯電話を向けていました。
昔は鷹が野鳥を捕え、
今は花見客が桜を撮る。
役割は変われど、鷹匠橋のたたずまいは、
今も昔も人の心をとらえる何かがあるようです。
如何でしたでしょうか、ジョンの「みんわのふなばし」
次のお話はどこへ行きましょうかねえ~。
*参照*
「みんわのふなばし ~船橋の民話をたずねる犬~ 将門公腰掛の松編
http://www.min-funabashi.jp/modules/m_news/singlelink.php?lid=1010
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