友人と居酒屋で酒を飲んでいたある晩のこと。
壁に貼られているポスターを眺めながら、映画「きらきら眼鏡」の話になった。
「なんか盛り上がってるよね〜。参加したいなぁ」と友人は言う。
「じゃあ参加しろよ」と僕が言うと「本も読んでないのに参加するの悪いじゃん」と律儀な彼は言う。
「じゃあ買えよ」と僕が言うと「ハードカバーって高いじゃん。買えねえよ」と言いながら、彼は5杯目の小松菜ハイボールZをおかわりした。
「お前その金で全然買えるからな。なんならその足でドトールでコーヒー飲みながら読めるからな」と思ったが、同時に「なるほどな」と思う自分もいた。思い当たるからだ。
こうして連日(でもないけど)飲み歩いていて、お財布はガバガバにだらしなく開いているのに、いざギターの弦を張り替えるべく、楽器屋さんに足を運ぶと1000円の値段に躊躇し、「ま、いつか買おう」と財布はキュッとキツくなる。
その「いつか」ってやつが来ないことも知っている。よほどのモチベーションが高まるナニカがない限りは。そう、優先順位が低いのがその原因だ。
「ハードカバーって高いじゃん。買えねえよ」と言う彼もそう。優先順位が低いためだ。こういった人が多いのかもしれない。そう踏んだ。
ということで。
ときわ書房本店で編集長が自腹で「きらきら眼鏡」を5冊(とりあえず)購入した。「読みたかったけど読めてなかった!」という方は、是非「みんなの船橋」を運営しているプレアホームさんに足を運んでほしい。
あなたに「きらきら眼鏡」をプレゼントします。いや、あなたにプレゼントをするわけではない。あなたが「きらきら眼鏡」を読んで「これは友人にも読ませたい」と思ったら、是非その友人にプレゼントしてほしい。そしてその友人はまたどなたかにプレゼントしてほしい。このスパイラルがおこってほしい。SNSにアップしてくれると更に嬉しい。手元に戻ってくることを僕は期待していない。
「きらきら眼鏡」が旅をする。名付けて「旅する眼鏡」だ。
これも映画「きらきら眼鏡」の一つの応援の形だ。
キャーーーーー!編集長カッコいい!!週8でお酒をご馳走させてーーー!と、黄色い声援が飛び交うことを期待しているが、そっち方面の声が起こらないことも知っている。集まってくるのは陽気なオジサンばかりだ。
ならば一人でウヘウヘと黄色い声援を妄想しながら今晩はここで飲むしかあるまい。
さて、今晩は何軒はしごをすることだろう。旅する編集長は…。