前回、赤潮と青潮のお話をさせていただきましたが、今回は「天気図と漁」についてお届けします。
船橋漁港は南風が6月27日から7月7日まで吹いていた為、ずっと漁に出られませんでした。これを「シケ休み」と呼びます。2〜3日のシケ休みは、わりとよくあることですが10日前後のシケ休みは珍しいです。
船橋は東京湾奥に位置しており北が陸、南が海になっています。海からの南風が吹くと陸ではね返った波と海からの波がぶつかりうねりが高くなります(高校物理「波動」の授業で出てくる「波の干渉」というやつです)。うねりが高くなると船も大きくゆれて危険なので、船橋の漁師さんは昔から「南風が吹くとシケ休み」になります。
関東地方は6月29日に梅雨明けしました。平年より22日早いそうです(気象庁調べ)。梅雨明け近くになると「土用みなみ」と称される南風が3日前後、長いと1週間近く吹くことがあります。
今回10日も続いた長いシケ休みは「土用みなみ」と台風7号が沖縄→東シナ海→日本海へと進んだ為の南風が重なったことが原因です。
ここでおおざっぱに天気図のお話。風は高気圧から低気圧に向かって吹きます。台風も低気圧の一種(温帯低気圧)です。台風が日本海に進むと関東地方は南風になります。台風に限らず低気圧が日本海側を通ると関東地方は南風になりシケになりやすくなります。ぜひ覚えておいてください。
「晴れてていいお天気だから水揚げもあったでしょ?」とか「雨ばかりだから入荷少ないでしょ?」とか、単純にお天気だけでは決定しません。お天気よりも風の方が大事だったりします。天気図と出漁の関係を追ってみるのも楽しいかもしれませんね。
そして次回は、「青潮と赤潮の正体」についてお届けします。お楽しみに♪