さて、前回の記事で、単に走るということだけでも影響する「動力」はたくさんあるんだよ。
ということと今回の記事では、ダート駅伝のおすすめの「動力」を紹介しよう。と予告しました。
が、気が変わったので、ダート駅伝と平地ランの違いをもう一歩踏み込んで話をします。
ダート駅伝の平地ランの違い、それは地面が砂かどうかということは言わずもがなですが、
ダートランの最大の特徴・・・。それは、「慣性の法則」が使えないということです。厳密には効きづらいと言った方がいいかも。
昔ガッコでおべんきょしたと思いますが、運動してる物体はそのまま永遠に動き続けようとする、法則のことです。
「え?うそ???だって、ボールを投げたら最初は転々とするけど、しまいには止まっちゃうよ〜。永遠に動き続けるなんて、そんなわけないじゃん!!」
はい、この慣性の法則を習った際に誰しも疑問に思うことですよね。
転がったボールが止まってしまうのは、地面と触れれば触れるほど摩擦という抵抗がうまれて、徐々に減速してゆくのです。
地面と接しなくとも、地球上には「空気」があります。空気抵抗により減速して最終的には止まってしまうのです。
これを平地のランに置き換えてみると・・・、少しでもスピードに乗ると自分で意図的に止まろうとしない限りは、
そのスピードのまま走り続けられるはずです。これは前述の慣性の法則の影響もあるし、人体的にも「走っているのを止まる」ためには結構なエネルギーが必要になるから無意識にそのまま走り続けようとするわけです。
実際には、走り続けた場合、心肺機能の方が持たなくて、あるいは体に痛みがでて、一定の時間を走り続けるということにはトレーニングが必要なわけですが。
平地を走る場合は、ある程度スピードがでたら、それを心肺機能の続く限りキープしようとすれば良いわけです。
それに対して、ダートランの場合は、足下の深い砂によって「慣性」が瞬殺されます。
前に進もうとする推進力、運動エネルギーが地面の深い砂によってその大部分が吸収されてしまいます。
余談ですがどのぐらいの瞬殺っぷりかというと、ドラゴンボールのフリーザのお父様ぐらいの瞬殺なわけです。
つまりダートランの場合は、惰性でスピードキープという平地で当然な走法は使えずに一歩一歩膨大なエネルギー(動力)が必要なわけですね。
エネルギーについて話しますが、
「運動してるものをそのままキープするエネルギー」と「止まっているものを動かすエネルギー」
どっちがエネルギーが必要かというと後者です。
「止まっているものを動かす」ということは膨大なエネルギーが必要です。
「エアコンはこまめに消したりつけたりするよりも、ずーっと付けっぱなしの方が逆に電気代が安く済む」
こんな話を聞いたことありませんか?
これは電化製品が、起動時に膨大なパワーを要するからです。
人体も然りです。
深い砂によって推進力は0近くまで無効化され、1歩1歩新たに運動エネルギーを起こさねばならないのがダート駅伝なのです。
というわけで、ダートランと平地ランの大きな違いは、
平地は慣性の法則より、運動エネルギーをキープし続ければよい。
ダートランは慣性の法則が殺され、1歩1歩エネルギーを起こして推進せねばならない。
ということですね。
さて、次回こそダートランにおすすめの動力を紹介して行きたいと思います。